飲食業営業許可を取得する際の「施設基準」を知ろう

飲食業営業許可、風俗営業許可などについて

※当記事は,当事務所の旧サイトから本サイトへの移行の為転載したものです。

こんにちは。前回のブログで飲食業営業許可のご紹介をさせていただきましたが、その中で出てきた「施設基準」について解説していきたいと思います。飲食業営業許可を取得する為には必ず「施設基準」を満たす必要があります。

※前回のブログはこちら↓↓
飲食業営業許可をこれから取得する手順について

営業許可を受けるためには、施設基準を満たす必要があります。

施設基準とは

施設基準には、2種類があります。

・共通基準

⇒自動販売機以外のすべての業種が満たさなければならない施設の基準です。

・特定基準

⇒業種ごとに定められている個別の基準。

※施設基準に関して不明点があるときは施設の所在地を所管する保健所にご相談ください。

若しくは施設のエリアを担当している行政書士に確認してもらうのもよろしいかと思います。

今回はまず共通基準に関してお知らせしますのでどんな基準があるかを確認しましょう。

これはどの飲食業の業種もこの基準を満たさなければなりません。

まずは簡単に以下の簡単な質問内容を見てから共通基準の項目を見てみましょう。

1:店舗スペースの用途はきっちりとわけけていますか?

2:掃除しやすい床ですか?

3:掃除しやすい内壁ですか?

4:店内は明るいですか?

5:店内の換気は大丈夫ですか?

6:ネズミやゴキブリなどへの対策はしていますか?

7:着替える場所、すなわち更衣室はありますか?

8:ちゃんとしたトイレが用意されていますか?

9:従業員の手洗い設備はありますか?

10:食器や食品を清潔に保管できる環境ですか?

11:衛生的なゴミ箱はありますか?(蓋がついているごみ箱など)
共通基準の項目

1 営業施設の構造

  • 場所:清潔な場所を選ぶ。
  • 建物:鉄骨、鉄筋コンクリート、木造造りなど十分な耐久性を有する構造区画使用目的に応じて、壁、板などにより区画する。
  • 面積:取扱量に応じた広さ
  • 床 :タイル、コンクリートなどの耐水性材料で排水がよく、清掃しやすい構造
  • 内壁:床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい構造
  • 天井:清掃しやすい構造
  • 明るさ: 50ルクス以上⇒JISの基準では、「廊下・階段」、「車庫」に必要な明るさということ
  • 換気:ばい煙、蒸気等の排除設備(換気扇等)
  • 周囲の構造:周囲の地面は、耐水性材料で舗装し、排水がよく、清掃しやすい。
  • ねずみ族、昆虫等の防除:ねずみ族や昆虫などの防除設備
  • 洗浄設備:原材料、食品や器具等を洗うための流水式洗浄設備と従事者専用の流水受槽式手洗い設備と手指の消毒装置
  • 更衣室:清潔な更衣室又は更衣箱を作業場外に設ける。

以下、特に注意したい点をまとめました。

※排水のための床こう配は1/50~1/100が適当。床と壁が交わる隅は、丸みをつける。天井は、配管ダクト、照明器具等が露出しないこと。

※ダクトによって屋外に排気する場合、近隣に迷惑のかからないよう、その高さ及び方向に注意する。

※フードの構造:フードを設置する場合、天井とのすきまがないよう直接つけ、外面は垂直にする。

※ねずみ族や昆虫等の防除:窓などに網戸をつけたり、自動ドア等で防止する。排水溝には、鉄格子、金網等をつける。

※洗浄設備(流し):1槽の大きさ(内径)のめやす45cm(幅)×36cm(奥行)×18cm(深さ)以上

※従業員専用手洗い設備:手洗器外径のめやす36cm(幅)×28cm(奥行)以上

蛇口は、足踏式、ハンドコック等がよい。また、手指の消毒装置をつける。

※専用の衣服、履物、帽子を着用させるための更衣施設等があること。

2 食品取扱設備

  • 器具等の整備:取扱量に応じた数の機械器具及び容器包装を備える。
  • 器具等の配置:移動し難い機械器具等は、作業に便利で、清掃及び洗浄をしやすい位置に配置する。
  • 保管設備:原材料、食品や器具類等を衛生的に保管できる設備
  • 器具等の材質:耐水性で洗浄しやすく、熱湯、蒸気又は殺菌剤等で洗浄が可能なもの
  • 運搬具:必要に応じ、防虫、防じん、保冷のできる清潔な食品運搬具を備える。
  • 計器類:冷蔵、殺菌、加熱、圧搾等の設備には、見やすい箇所に温度計や圧力計を備える。必要に応じて計量器を備える。

※保管設備:必ず戸をつける。(食器戸棚、器具保管庫等)

※計器類:冷蔵庫内及び調理場内に温度計を設置すること。

3 給水及び汚物処理

給水設備:水道水又は飲用的と認められる水を豊富に供給できるもの

貯水槽は衛生上支障のない構造。ただし、飲用適的の水を得られない場合には、ろ過、殺菌等の設備を設ける。

便所:作業場に影響のない位置及び構造で、従事者に応じた数を設け、使用に便利なもので、ねずみ族、昆虫などの防除設備、専用の流水受槽式手洗い設備、手指の消毒装置を設ける。

汚物処理設備:ふたがあり、耐水性で十分な容量があり、清掃しやすく、汚液や汚臭が漏れないもの

清掃器具の格納設備:作業場専用の清掃器具と格納設備

※給水設備:貯水槽を使用する水、井戸水等を使用する場合は、年1回以上、水質検査を行い、成績書を1年間保存すること。

※便所:手洗い設備は従業員専用手洗い設備と同じ。床には排水溝を設ける。汲取口、浄化槽のマンホール等が食品取扱施設に影響しない場所にあること。

※汚物処理設備:ハエ等の衛生害虫の侵入、繁殖を防ぐため、汚液、汚臭がもれないものであること。

以上、細かい決まりがたくさんありましたがいかがでしたでしょうか?もし賃貸借契約でテナント等を借りてお店を始めようと思っているなら上記の決まりを本当に満たせるかどうかを考えることもとても重要です。

ぜひ今のうちからどういったことが気にされているかを気にしておきましょう。


東別府拓真行政書士法務事務所
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