28日の市議会議員の出席停止処分の最高裁裁判について

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※本記事は2020年10月30日に書いた記事です。

28日の最高裁大法廷での裁判が判例変更が行われるかどうかが本日のニュースで出ていましたね。簡単にまとめると以下のような内容です。

 宮城県岩沼市の元市議が、週数会派の同僚議員が陳謝処分を受けたことに関して「政治的妥協だった」と議会で発言。これが多数会派から批判されて

「23日間の出席停止処分」

を受けた。これに対して処分を受けた元議員の方が処分の取り消しや減額された議員報酬28万円分の支払いを市に求める裁判をしたという話です。

 当方が行政書士の勉強で学んだのは、議会の議員の「除名処分」は重大事項で、内部規律の問題にとどまらないので裁判の対象になるが、今回のような「出席停止」の懲罰処分は議会内部の問題で議会の規則で決めることだから部分社会の法理により司法審査の対象にならないという風に理解していましたが、これが判例変更になるかもしれないということが今回のニュースです。

ちなみに「村会議員出席停止事件」という昭和35年10.19の判例で学びました。

※あくまで議員の出席停止で、政党の除名処分の判例ではないのでご注意ください。

※部分社会の法理とは、一般市民社会とは異なる特殊な「部分社会」を形成し、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題は、司法審査の対象から除外されるという考えです。例えば地方議会、大学や、政党など

ここまでの元議員の方の訴えに対して仙台高裁は

報酬減につながる場合は、

司法の審査の対象だ。議会内部の問題といえない。」

と指摘をし、再度違法性を検討させるために審理を地方裁判所に差し戻すとしていた。

そして28日の最高裁でまた弁論が終了し、その判決は年内にでも言い渡されるようです。

今回は最高裁判所大法廷で弁論が開かれたため、判例変更がもしかしたらあるかもしれないですね。

 

 ということで、現状としては、今までは議員の出席停止レベルの懲罰は議会のことだからその内部規則でどうにかしてくださいといっていたのが、「報酬が下がる」などの場合は司法審査の対象に今後はなりそうです。

まだ判決は出ていませんのでご注意ください。

 個人的には、報酬が下がる場合も部分社会の法理で内部規律で対処した方がいい気はするのですが、もしかしたらもう少し細かく状況を聞いたら、報酬減も妥当という考えにいたるかもしれません。引き続きチェックしたいと思います。

 しかし過去の有名な判例も変わることがあるんだと久しぶりに試験時代の判例集を引っ張り出したところでした。勉強になりました。

東別府拓真行政書士法務事務所
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