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※本記事は2020年07月20日に書いた記事です。
近しい家族が亡くなった時、財産の相続が発生することも少なくなりません。故人が亡くなって土地や家、株式や銀行預金や車など幅広く相続の対象になることがあります。
そんな時に、個人の遺言でこんなことが書かれていたらどうしますか?
「全財産は、友達のAにすべて譲る」
こんなことが遺言に書かれていたらご家族の方もびっくりするでしょう。こんな時は遺言通り友達のAさんにすべての財産はAさんに譲らないといけないのでしょうか?
こういう時には「遺留分」という権利を知っておいたほうがよろしいかと思います。

遺留分とは?
「遺留分(いりゅうぶん)」とは、亡くなった方が有していた財産に対して、法律上その取得が一定の相続人に保留され、亡くなった方の自由な財産の処分に制限が加えられている保証された権利になります。
上記を分かりやすく変えると、一部の相続人は必ず亡くなった方の財産を一部少なからず相続することが保証された権利になります。
この権利は、亡くなった方の兄弟姉妹にはありません。
では例を挙げますので一緒に見てまいりましょう。
父と母、息子の三人gいるが、お父さんが亡くなってしまった。父は全財産として4000万円を持っていたが、父の遺言には「全財産の4000万円は浮気相手のAに譲る」と書いてある。
冒頭でも紹介しましたがこの例もお母さんとご子息はびっくりするでしょうねぇ。
この場合、普通は、4,000万円の遺産をお母さんとご子息で半分ずつ、つまり2,000万円ずつ相続することができます。この割合は、その時々の組み合わせで変わってきますがこの割合を法定相続分といって民法で法定されています。
ひとまずここでは、お母さんとご子息は2分の一づつが法律上決まっている通常の相続分です。
もう一度遺言を見てみると「浮気相手を全財産を譲る」というのです。こんな時に遺留分をの権利を使うと、一部だけでも請求できるようになります。
上記の場合で言うと、お母さんとご子息は2,000万円の半分、すなわり1,000万円を遺留分として相続することができます。これは遺言でお父さんが相続人ではない方に全財産を譲ると言っていてもこの遺留分を相続することができます。お母さんとご子息の遺留分は法定相続分(2分の一)の半分が遺留分割合になります。
なお、この権利は父のお父さん、つまりおじいちゃんやおばあちゃんが遺留分を相続したいといったときは法定相続分の三分の一になります。
以上の権利を遺留分権などといったりします。お父さんやお母さんの亡くなって、書かれていた遺言に上記のような明らかに納得できないことがありましたらぜひ遺留分のことを思い出してみましょう。こちらの権利は勝手に行われるわけではないので、必要な時は専門家に相談しましょう。 繰り返しますが、遺留分は亡くなった方の兄弟姉妹にはありません。
なお、上記の保証された遺留分を侵害された場合(上記でいうと浮気相手Aさんが全財産を手に入れた)、遺留分減殺請求という請求ができます。こちらは、「相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から一年間これを行使しないとき、もしくは、相続開始の時から10年を経過したときに時効によって消滅する」ので遺留分のことで気になった時はまずは専門家に相談しましょう。
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